
素材の味そのものが命の和菓子だからこそ、
水にこだわりました。
滋賀県高島市新旭町。
比良山系に降った雪や雨が伏流水となり、
集落を張り巡らせた水路には、
「生水(しょうず)」と呼ばれる
美しい湧き水が流れています。
鉄分を多く含んでおり
飲料は勿論、野菜や穀物などの食材を洗ったり、
果物等を冷したりした後、
洗い物で出た食べかすなどは端池に飼われる鯉が食べ、
綺麗になった水は水路を流れて隣家へ、
やがては琵琶湖へと流れてゆきます。
私の栽培する「高島大納言小豆」も、
美味しく、体に優しい小豆を目指し、
また微力ながらも環境や生態系に配慮した
化学肥料を使わない小豆として、
この美しい水が流れる高島・新旭の土と水で育んでおります。
名水にあやかり酒蔵や豆腐屋などが並ぶ集落には、
静かに佇むお寺があります。
その名は「霊薬山 正傳寺」。
保延年間の創尊、
永平寺直末中本寺格で近江三カ寺のひとつにて、
木造の薬師如来座像は県の重要文化財に指定される由緒あるお寺です。
こちらの前庭にもこんこんと美しい水が湧き出ており、
その云われから薬水とも称されています。
聖なる水。清めの水。美味しく体に優しい水。
高島で育む小豆と共に、
菓子づくりに活かそう。
山川の菓子はすべて、
清い自然と人の優しさに溢れる霊薬山・正傳寺に湧き出る水にて、
作らせていただいております。